むし歯と治療のおはなし

むし歯と治療のおはなし

きちんと治そう!

「どうせ抜けるから。」と、乳歯のむし歯を治療せず放置すること。
それはつまり、

①乳歯がその役割を十分に果たせない。乳歯の寿命を縮める。
②永久歯に生え変わってからもむし歯だらけの人生を歩む。

ことにつながります。
そうならないよう、むし歯になってしまった時には、治療を行います。
一人ひとり異なる、口腔内環境・生活習慣を考慮し、最善策を講じます。

乳歯の役割とは?

⚪噛むこと
よく噛むことで、成長・発達に必要な栄養が効率よく吸収されます。
また、噛む動作は脳の発達に役立つといわれています。
顔やあごの発育を助け、顔の形を整えるはたらきをします

⚪発音
たくさんの言葉を覚えていく幼児期。
歯が健康で揃っていることで、正しくキレイな発音ができます

⚪永久歯の誘導
永久歯への交換期には、乳歯の根が吸収されて
次に生えてくる永久歯を誘導します。

参考資料 kao ホームページ

だから放っておくのはNG! 乳歯むし歯の永久歯への影響

1. 永久歯がむし歯になりやすくなる
むし歯菌だらけの口の中に永久歯が生えるため、菌の定着が早まってしまい、生えている途中ですでにむし歯になることもあります。

2. 永久歯の歯質に影響が出ることがある
乳歯のむし歯が重症だと、根に膿を持ち、その下の永久歯がむし歯菌感染した状態で萌出してくることがあります。また、膿の袋を避けて生えようとするため、萌出方向にも影響します。

3. 永久歯の歯並びが悪くなる
乳歯のむし歯が根まで進行すると、根管治療をしますが、神経を抜いた歯は、木に例えると“枯木”となり、脆くなります。
脆い歯は、早期脱落しやすくなるため、次の永久歯が生えるまでの期間が長くなります。
その間に隣の歯が寄ってくる、噛みにくい状態が続くことで噛みグセがつき、顎の発達が不十分になるなど、永久歯の歯並びに影響しやすくなります。

4. 発育不良を惹起する
むし歯がひどいと、しみたり痛みが出たりして食事が憂鬱になります。
噛まないでも食べられる軟食を好むようになり、あごの発達が不十分になります。
軟らかい食べ物は高カロリーのものが多く、また、噛まずにすぐに飲み込めてしまうため、食べ過ぎ・肥満につながります。
その食習慣が長期に及ぶと、生活習慣病の罹患につながっていきます。

乳歯のむし歯 5つの特徴

1.抵抗力が弱い
エナメル質・象牙質ともに永久歯より薄く、歯の軟らかさが半分程度、酸に対する抵抗力も弱いため、むし歯になりやすいです。

2.進行が速い
同じ理由で、進みも早く、歯が小さいことも相まって、短期間で神経に到達してしまうことも。

3.多発しやすい(ランパウントカリエス)
同時に何本も…ということが多くあります。
むし歯になったら、その歯の反対側の同じ歯も要チェックです。

4.痛みを感じにくい
乳歯の神経は感受性が低いので、永久歯のむし歯で初期にみられる冷水痛(冷たいものがしみる)は、ほとんど感じることはありません。
神経に達するほど進行しても少ししみる程度や、全く痛がらないことも珍しくありません。

5.再発しやすい
抵抗性が弱いので、治してもまたすぐ新しいむし歯ができたり、詰め物との境目からのむし歯になったりしやすくもあります。

参考資料 埼玉県歯科医師会ホームページ

“治療が必要”の一歩手前

C0 初期むし歯
脱灰の状態で、まだ治療せずに歯みがきや食生活の改善で、進行を止めたり、遅らせたりできる。

軽度のむし歯の治療

C1 初期のむし歯であって、エナメル質、あるいはわずかに象牙質の一部まで侵されているもの。
自覚症状はなく、ほとんどの場合気がつきません。
この時点で見つけることができたら、簡単な治療で終わることができます。
また、念入りにブラッシングや、フッ素塗布、間食習慣の改善によって、進行を遅らせることができる場合があります。

 シーラント

奥歯の溝や小窩(凹み)など、狭い部分にできた初期の虫歯治療で行います。溝や小窩の中の虫歯部分を削り取り、白いプラスチックを流します。

C2 むし歯が象牙質の大部分にまで進行。
むし歯でできた歯の穴に食べ物が詰まったりすることもあります。

 コンポジットレジン充填

当院で、もっとも頻繁に行われている治療法です。シーラントではカバーできない面や、歯間部のむし歯を修復します。
知っていますか? 3歳未満のむし歯の治療
フッ化ジアンミン銀製剤塗布
むし歯の治療は必要でも、1歳や2歳では、歯科医師との意思疎通がまだ困難で、体も口も小さく、むし歯よりも治療することの方が、危険な場合が多くあります。治療は難しい、でもむし歯の進行は止めたい。そのような場合は、フッ化ジアンミン銀製剤を塗布して、むし歯の進行を抑制します。当院での適応は、3歳未満で神経に及ばないむし歯の治療です。むし歯の進行を止め、治療が可能になるまで成長を待てることが利点ですが、塗布した箇所が黒く変色します。処置が必要な際は、ご相談の上行います。

 

菌の感染が神経にも及ぶ場合

C3 むし歯が進行して歯髄まで進行したもの。歯には大きな穴があいた状態。

神経の一部まで感染 生活歯髄切断法

虫歯が進行し、神経の一部まで感染が及んでしまった時、感染部分のみ取り除き、健康な部分を保存する治療法です。神経を残すことで、歯の寿命を伸ばすことにつながります。

神経の大部分または全部 感染根管処置

さらに虫歯が進行し、神経の大部分または全部に虫歯の感染が及んでいる場合は、神経を取り除き、根の中の消毒を行います。

神経の処置のあと 既製冠(きせいかん)

神経を切断したり、取ったりした歯はもろくなり、欠けたり割れたりしやすくなります。それを防ぐため、金属の被せ物をして歯を守ります。
知っていますか? 深いむし歯の幼若永久歯の神経を、取らずに保存するための治療
IPC(アイ・ピー・シー)
むし歯の治療は、口腔内診査時にレントゲン撮影を行い、むし歯の深度について精査してから治療を開始します。
当院では、通常、むし歯が神経に及ぶ(根管治療が必要になる)永久歯の治療は行なっておりませんが、幼若永久歯(生えて間もない永久歯)のむし歯で、治療中に神経に及ぶほどの感染が認められた場合、神経に到達する(露髄)直前で削るのをストップし、むし歯を硬くする薬材をのせて、一旦閉じて終了。数ヶ月後、再度硬くなったむし歯の部分を除去する治療=IPCを行う場合があります。
神経を取った歯は、前述の通り脆くなるため、噛む役割を大いに担う6歳臼歯、12歳臼歯の神経を保存することは、歯の寿命を延ばすために非常に重要です。
適応歯などは、小児歯科医の判断になりますが、残せる可能性のある神経を守れることが、最大のメリットです。

C4 さらに感染が進み、歯根だけ残った状態

抜歯

根だけの状態になっている時や、根の中の消毒を繰り返しても状態が改善しない時には、その後に控えている永久歯に影響を及ぼさないよう、抜歯をします。
永久歯が生えてきても乳歯が抜けずに残っている場合も抜歯の適応です。

交換期より早く抜いた後は、永久歯の生える場所を保隙装置で守っておきましょう。

保隙

保隙装置ほげきそうち
交換期を待たず早期に抜歯すると、永久歯が生えてくるまで期間が空き、その隣の歯が隙間を埋めようと倒れてきます。
それを防ぐため、保隙装置を装着し、永久歯が生えてくる隙間をキープしておきます。
どのタイプが適応かは、歯科医師の判断となります。

プレートタイプ 保険適応外 1装置(片顎)¥15,000+税

上アゴまたは下アゴ全体にはめる装置です。
主に、複数箇所に保隙が必要な場合に用います。
装置が大きめなので、慣れるまでは、しゃべりにくいことがありますが、次第に慣れていきます。
食事・歯みがき・スポーツ(体育や習い事など)の際の着脱、外したらケースにしまって保管する、などのお子さん自身での管理が必要です。

バンドループ・クラウンループ 健康保険適応

抜いた歯の後ろの歯にリングまたは冠をはめ、その前方(保隙箇所上部)に輪をつけた、局所的な保隙装置です。
接着剤で固定し、必要がなくなるまでそのままとなります。
着脱などの管理は不要ですが、丁寧な歯みがきが不可欠です。

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