理想的な歯ならび・噛み合わせ




 理想的な歯ならびについて、写真をみながらチェックしてみましょう



●上下の中央が一致している
●全ての歯が対合し合っている
●上下の噛み合わせが互い違いになっている
●上の歯1本:下の歯2本で咬み合っている
●全ての永久歯が、過不足なく生え揃っている 
 (上14本、下14本。親知らずは除く)
●左右対称の、綺麗なアーチを描いている
●全ての歯が、隙間なく接している
●上の歯が、下の歯より2㎜ほど前方に出ている 
●上の歯が2〜3㎜、下の歯にかぶっている
●唇がE-ラインのわずかに内側にある(唇の出方は上下前歯の前突度に大きく影響されます。)
 ※E-ライン :横顔で、鼻の一番高い所とあごの最も出ている所を結んだ線
補足)
医学的には理想的な歯ならびには諸説ありますが、ここでは代表的なHellmanおよびFrielの文献を参考にしています
(1)歯面接触
上顎前歯の舌面は下顎前歯の唇面の1/3~1/4(約2~3mm)を被い、これと接触している。
(2)咬頭頂と窩との接触
たとえば上顎第一小臼歯の舌側咬頭頂は下顎第一大臼歯の遠心窩頬側と、上顎第一大臼歯の近心舌側咬頭頂は下顎第一大臼歯の中央窩と接触している。
(3)隆線と歯間鼓形空隙との接触
たとえば、上顎第一小臼歯頬側咬頭の三角隆線は、下顎第一、第二小臼歯の歯間鼓形空隙と接触してる。(高橋の1歯対2歯咬合に似る説)
(4)隆線と溝との接触
たとえば、上顎第一大臼歯近心頬側咬頭の三角隆線は下顎第一大臼歯の頬面溝と接触している。
理想的咬合状態:上記4つの接触が、138か所あるのが理想的だがその内90±6%を有するのが代表的咬合関係である。
Friel,S.:Occlusion. Observation on its development from infancy to old age,Int.J.Orthodont., Oral surge.&Radiog.,13:322-343,1927
Hellman,M.:Variation in occlusion,Dent.Cosmos,63:608-619,1921




ゴールデンプロポーション(黄金比率)





 これは、ほとんどの人が直感的に“美しい”と思う比率で、不変の(安定した)美しさの比率として使われています。

 ゴールデンプロポーション=1:1.618 

黄金比率を持つものの例
     
・ギリシャのパルテノン神殿全面
(縦横比ほか、各部構成)
・ピラミッド(高さ底辺比) ・パリ、ローマの凱旋門
(中央開口部の高さと全体の高さ)
・ミロのヴィーナス
(おへそから上と下)
その他
 ・モナリザ
 ・ひまわりの種のつき方
 ・名刺やテレホンカード、パスポートなど


主に建築物や美術品に求められますが、口元にも黄金比が存在します。

口元の黄金比
鼻基底部〜上下唇接合部 : 上下唇接合部〜 オトガイ下部
1    :    1.618



もちろん、個人の好みや、その人が持つパーツの一つ一つの組み合わせによって、
感じ方が左右され、口元が黄金比というだけで一概に万人が美しいと感じるとは言えません。
しかし、顔を見て、魅力的かどうか判断するまでの時間はわずか0.4秒。
黄金比は、その一瞬で人が“魅力的”と判断するための指標となるものの一つであることは確かです。